雑感1

 会社員になって1ヶ月が過ぎた。

 「バイトより楽に稼げる」これぐらいしか理由がない。

 数年後に控える渡航費やらを稼ぐために、お金がどうしても必要だったので仕方なく会社員になった。日雇いに比べたら数段楽に稼げる。話しかけたら答えてくれるし(そもそも話す余裕が勤務時間内にあるし)、ある程度はルーティンワークで仕事に慣れることができる。次の日の仕事内容が予測できないなんてことはない。楽すぎる。

 研修時にそこそこ優秀な成績だったらしく、そこそこ大きなプロジェクトのマネージャー見習いになる。日本を代表する大企業の面々の中に、元ホームレスが紛れ込んでるのはなんだか申し訳ない気持ちになる。

 「すごいじゃん出世コースじゃん」と言ってくれる人がいるが、出世は望んでいない。窮屈だし、俺はいつか辞める人間なので期待をかけられた分だけ迷惑をかけてしまう。外国の永住権を得るために純粋に技術を学びたかったんだが、そう希望が通るわけもなく、うまくいかない。

 「奇人・変人は会社員に向かないよ」先輩が冗談交じりに言った。そうですね、と相槌を打った。その通りだ。俺は会社員を続ける自分をイメージできない。当たり前に会社員を目指し、続けられる人は一体どんな精神構造をしてるんだろう。矛盾や理不尽を飲み込みながら働き続ける人は本当にすごい。

 最近自転車を買った。夜の東京を歩くのも好きだが、自転車を走らせるのも好みだ。
 スポットライトが街中に当たる夜の繁華街を、誰の注目を浴びることもなく走る。静かな住宅街を自分独りペダルを漕ぐ。自由を感じられて気持ちが良い。こういう時間がもっとあったらなと思う。なんで俺は1日の時間の大半を仕事に費やしてるんだ?と、ふと我に返ることがある。

 なかなかうまくいかない。

 うまくいかないが、自分を信じられるようになった。

 抱える悩みやコンプレックスに、いつか打ち克つことができる。無念で死ぬことがあっても、それなりに納得して人生を振り返れるだろう。俺はそういう人間だと、頭の片隅で感じ続けることができるようになった。

1 件のコメント :

  1. わたしはイスラエルの地に渡航し永住権をえたいです。それを実現するために日本でお金をいっぱい稼ぎたいです。

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