少女漫画の起承転結

 少女漫画は「思ったこと、感じたこと」で物語が完結する。起承転結の結の部分が「私の気持ち」で終わることを許されている。

 「空気に流されて浮気しちゃった、私って最低!」これで小節は完結し、次節では浮気はなかったことになっていたりする。悲しんだり自己嫌悪すれば全ては水に流れるのが少女漫画システムである。『NANA』ではどんなに不義理を起こしても困った顔して、次の章で笑顔でいれば「良い女」みたいな評価が得られる。
 話の合間に(男の俺にとって)よくわからん詩が挟まれているとき、その詩の内容は次の回では「終わった話」になっている。

 このように「私の気持ち」なんてものは一過性のもので一貫性がないので、総じて少女漫画は短命に終わる。収集がつかなくなるからだ。「なんだかんだあったけど、今は幸せ!」みたいなお茶濁しで終わらせるしかなくなる。

 それに対し少年漫画は「俺の気持ち」が起承転結の起の部分になっている。「俺は海賊王になる男だ!」と宣言したら海賊王になるまで話は終わらない。「強いってなんだろう…?」と哲学的な問いを投げれば、100巻を超えるボクシング超大作ができあがる。
 ただ、理想を追い求めるあまり、挫折したり道に迷っても物語を終わらせてもらえないのが少年漫画システムである。「敵強すぎるし、やっぱ俺には海賊王なんて無理やったんや…」と落ち込めば、必ず誰かが「バッキャロー!」と頬を張りにやってくる。今のところルフィが落ち込む様子は見られないし、エセ関西弁だったシーンはひとつとして無いのだが、そんな感じである。

 一貫性を求めるあまり、打ち切りになっても「俺たちの戦いは始まったばかりだ」と一生修行みたいなお茶濁しで幕を閉じる。女性からすれば「それで、ハッピーエンドになったの?」と聞きたいところなんじゃないかと思う。こいつら何のためにそんなに頑張ってるんだ?

 今オススメの漫画を挙げろと言われれば、少女漫画だったら『俺物語』少年漫画だったら『ザワさん』をお薦めする。
 少年少女漫画にそれぞれ特徴はあるが、そういう起承転結の波風ですらキャラクター性は壊されず、物語を俯瞰で眺めて楽しむような漫画が流行ってる気がする。
 「話の展開」が「キャラクター」「世界観」より相当格下の扱いで、「この次、どういう展開になるの?」よりも「読んでて面白いからまた読みたい(続きを読みたい)」と思わせる漫画が増えた。ような気がする。

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